現在市販されている粉体塗料は熱可塑性粉体塗料と熱硬化性粉体塗料に大別されます。
熱可塑性粉体塗料
熱可塑性粉体塗料は主に塩化ビニル系、ポリエエステル系、ナイロン系等の樹脂が使用されています。 熱可塑性塗料は、熱を加える事により軟化し形状を変化させ、冷えると形状が安定するという特徴を持ち、 熱による化学変化を伴わないため、再び熱を加えると軟化及び形状の変化が繰り返されます。 そのため、後加熱は必要ありませんが、一部では、後加熱を行う場合もあります。 しかし、これは平滑性を向上する為であり、熱硬化性塗料の様な焼成のための工程では有りません。 主に流動浸漬塗装法に使用されます。
熱硬化性粉体塗料
熱硬化性塗料は、熱を加える事により化学変化(架橋)を起し、特性が変化する塗料です。 架橋反応により各種の性能を付加させる事が可能な為、用途に応じた塗料を選択する事ができます。 一般的に後加熱を必要とし、焼成工程を追加します。使用されるベース樹脂は、外装用としてポリエステル樹脂、 アクリル樹脂、又、内装用としてエポキシ樹脂、ハイブリッド(エポキシ/ポリエステル)樹脂が一般的となっています。 粉体塗装の主流で静電スプレー法によって塗装されます。
熱硬化性粉体 | 熱可塑性粉体 | ベース樹脂 | エポキシ系 | ポリエステル系 | アクリル系 | ポリエステル系 | 塩ビ系 |
焼付条件 | 130〜200℃ 3〜30分 |
160〜230℃ 3〜30分 |
160〜200℃ 10〜30分 |
200〜230℃ 15分 |
200〜210℃ 10分 |
塗装外観 | ○ | ◎ | ◎ | ▽ | ▽ |
物理的性質 | ◎ | ◎ | ○ | ○ | ○ |
科学的性質 | ◎ | ○ | ○ | ◎ | ◎ |
防食性 | ◎ | ▽ | ▽ | ○ | ○ |
汚染性 | ▽ | ▽ | ○ | ▽ | ▽ |
耐候性 | × | ○〜◎ | ◎ | ○ | ○ |
静電塗装作業性 | ◎ | ◎ | ◎ | △ | △ |
◎:秀 ○:優 ▽:良 △:可 ×:不可
被塗物によっては違いが発生します。塗装にはプライマーが必要な場合が有ります。
仕様について詳しくはお問い合わせください。
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